2012/11/13

カメラの進化と写真の進歩というもの。

カメラはどんどん進化している。
デジタルカメラの画素数も、初代 IXY DIGITAL が2000年発売で211万画素。2012年現在でのそれは、最高で1610万画素と、12年間で実に8倍。
超高感度も昔はAPS-Cでiso800程が実用限界だったが、今ではiso3200近くでも綺麗に撮れる様になった。
進歩は画質面だけではない。
AFの性能や連射速度など、昔に比べたら、これまた格段に進歩している。
昔は露出の決め方から始まり、動体では「置きピン」や手動動体予測などのピントを合わせる為の「テクニック」がまず必要だった。
その頃はもちろんまだ、その場で確認が出来ない銀塩フィルムだったので、露出が思う様に決まった時。ピントがバッチリと合った時。ただそれだけでも嬉しい物だった。
また、それに挑戦するという楽しみもあった。

写真の楽しさのひとつに“撮れなかった物が撮れるようになる”というのもある。
勉強や仕事、スポーツで出来なかった所が出来る様になる楽しさ。
ただそれは、簡単に手に入らないから嬉しい部分もあって、カメラの進化で写真がつまらなくなる可能性もある。

ただ誰でも撮れるようになると、そういった「テクニック」を追求し、バッチリと写す事だけが楽しみな人は離れるかもしれないが、内容を重視する人は更に上を目指しやすくなるだろうから、カメラが進化して行く事はいいことかなと思う。

敷居が下がって、すそ野も広がる効果は、写ルンです→プリクラ→トイカメラ、iPhoneと来て、今まで「身構えて写真を撮っていた人達」の概念を崩してきた事は確かだろう。写真に直接文字やイラストを書こうなんて、それまで思いもしなかった。

それらカメラのスペックとしては一見退化しているかのようにも思えるが、ネガフィルムの性能向上により出来るようになった事。プリクラもデジタルになったから出来た事。
誰でも簡単に望む物が手に入っても、そこで止まらないのが人間ではないだろうか。
ここからも写真はまだ進化する。