いきなりのコラムなのですが、海外のレンズレビューを見ていて、分かりやすい図があったのでちょこっと。
足がなだらかにボケていく物から、二線ボケと言われるゴチャゴチャした感じに見えるボケ。
一般的にボケ味とは球面収差と密接に関係していて、前ボケか後ボケのどちらにそれを持ってくるかはレンズの設計で決まります。後ボケの写真が多く使われるため、多くのレンズは二線ボケを前ボケに持ってくるなどしていると思いますが、このバランスを上手くとって前ボケも後ボケも差の少ない、ある意味半端な設計にすることも可能です。また過剰補正となり後ボケが二線ボケになっている物もあります。
ニコンのレンズでDCレンズという物がありますが、これは球面収差を撮影時に変化させ、ボケ味をコントロールしようとした意欲作です。
第三十二夜 Ai AF DC Nikkor 135mm F2S - ニッコール千夜一夜物語 | ニコンイメージング
また、最近はあまり見かけませんが、球面収差を利用し、ピントの芯がありつつボヤけている幻想的な写真が撮れるソフトフォーカスレンズという物もあります。
さて、下のリンクはツァイスの32mm/1.8のレビューなのですが、サイトがポーランドなので文章はもちろんポーランド語。ここの英語サイトもあるので、少し待てば英文で見れるかもしれませんが、図だけでも十分分かるのでご覧になってください。リンクの中頃あたりです。
Test Carl Zeiss Touit 32 mm f/1.8 - Aberracja chromatyczna i sferyczna - Test obiektywu - Optyczne.pl
このレンズは教科書に載る様な典型的なボケ方をしているのが二枚の写真から分かると思います。また光路図の線が集まっている、写真では明るく写る箇所が、焦点の前側では周辺に。焦点の後側では中心に寄っている事が分かると思います。
球面収差とボケ味。少し興味を持った方はこちらのサイト(素人レンズ教室-その4
収差(2) 球面収差) も分かりやすくて面白いです。(うちのブラウザだと文字と画像が一部重なってしまいますが…。)
『球面収差の特性』
●補正不足→後ボケが柔らかい。解像度低下(ソフトフォーカス)。
●過剰補正→後ボケが二線ボケ傾向。
●絞ると減少。