2019/04/30

きっと仕事の切り替え期

高校の頃、中学の先生になりたかった時があった。
浪人中に挫折して勉強をする気力もなくなり、自分に残された「写真」を信じてこの道を選んだ。

そんな夢を持ってから何十年も経ち、中学校の写真の仕事が舞い込んだ。
正確に言えば昔からウチ(のおじさん)がやっていた仕事を受け継ぐ形で。

最初はやりたくなかった。
夢を綺麗なまま残しておきたかったし、中途半端に教育について学んでしまったから、現場を見たら不満が出そうで。
でもやってみたらやっぱり楽しい。
撮影も楽しければ、生徒たちを見ているだけで楽しい。
形は変わっても、少しでも関われたことが嬉しかった。
そんな感じで何年も経った。

今年春先、教頭先生から伝えられた。
「来年度から入札制にしたいと思いまして。」
とうとう来たか。時代だから仕方がないなと思う半面、単純入札のデメリットも知っている。
写真の質は金額に表せられない。異人と人の繋がりも、そこにはない。
ただあるのは、金と仕事。
「僕らは写真のことはわからない」と一言言われた。
そうだろう。過去に何度も聞いたことのある言葉だ。
でも僕はそこで手を抜く気もないし、写真の大切さも知っているつもりだ。

部活動の写真を撮るのが一番好きだった。
アルバム用なので使える写真が何枚かあればいい中で、何度も試合会場に通った。
彼らのベストシーンを残したかったからだ。
「写真は記憶を書き換える」
現実をありのままに残した動画と違って、いいシーンだけを切りとった写真は、それがいつしか記憶になる。
みんなが皆上手いわけじゃない。上手い人でも常にベストとも限らない。
でも、何年か経って写真を見返した時、「あ、俺意外とカッコよかった?」と思って欲しくて。

何日か悩んだあと、自分から辞退しに行きました。
今度取れても次もまた入札…その度不安になるのは嫌だった。
収入減になるのは正直とても痛いけれど、僕は「お金がすべて」の世界には居たくない。
先生たちは何年かで異動する。始めた頃にいた先生はもう誰もいない。
そこには人と人の繋がりは生まれないから、僕の求めるものはそこにはない。

ただね、一昨年異動になった先生に去年試合会場で会った時に言われた言葉は、今となってはとても自分の支えになっている。
「写真屋さんってどこも同じと思っていたけれど。長谷川さん、やっぱり凄く上手いよ。」
有難うございました。その言葉があったから、僕は今でも自分の信じてきたことが正しかったと思えます。


そんな感じで、打ち込んでた仕事がなくなった反面、前々から興味のあったベリーダンスの仕事も増えて来て、やり甲斐がうまい感じにシフトして来ています。

大事なものは守りたいです。人も自分も。