2018/02/25

Nikon 28-70/2.8D のピントが無限遠~5mくらいまでしか動かない故障の修理

Nikon 28-70/2.8D がだいぶ前からピントリングが無限遠~5mの指標手前くらいまでしか動かせなくなり、その修理記事です。 このレンズのユーザはかなりの率でありえる故障かと思われます。
以前一度、途中まで分解したこともあったのですが、もっと奥まで手を付ける勇気もなく、かといってもう古いレンズなので修理の受付もなく、長い間放置していたレンズです。
内部の両面テープで貼られた電子基板が劣化で浮いてしまい、電子部品がピントリングの部品と当たってしまうことが原因です。 前半のマウント外し→基板露出まではビデオで撮っていたので残念ながら公開しておりません…。とりあえずなんとかしてください…笑
※真ん中がオレンジ。一本は使いません。



※写真はないのですが、このあと順番的には(最初でも可)マウント内側のリング3+1本→マウント電子接点2本→マウント5本→マウント電子接点2本とネジを外していきます。 その後、ズームの位置を測るエンコーダのブラシを取り外しますが、ここでネジをナメてしまいました…。 ネジは奥のズーム連動ピンに繋がるレバーを止めるネジ2本(1.4~1.7mm?)と、それにブラシが付く感じで2本(1.4mm)。
上部に見える金色に光るものがズームエンコーダのレール。
※多分、距離のエンコーダ。




※基盤を外すには、目立つ所に2本。その反対側コンデンサーの間、奥まった所に一本あります。
ついでにベースのアルミ板をほんの気持ち外側に膨らませました。なにせまた基板が内側に1mmでも膨らんでしまったらアウトですので…。




↓ネジ買ってきました
下穴は1.4mm~1.5mmです。相手がアルミなので下手にタップでネジを切るより、普通のネジをねじ込んでしまったほうがいいと思います。(回すのが固くなってきたら少し戻すタッピングと同じ感じで)
※最初ズームエンコーダのブラシを外す前に、ブラシの位置を写真などに撮って同じ場所に固定するほうがわかりやすいと思います。
このリペアマニュアルにあるレールの端は、手前の部品で影になっていて見にくいです。









前から見ると絞りだけ少し絞られた状態のままですが、なんとかほぼ完全復活しました。
撮影したEXIFや露光量を見る限り、開放でF2.8としっかり出ているようですし、絞り自体はちゃんと作動しているようですので、これで完了ということにします。

今回の完全なミスは…
新品の「精密ドライバーを使わなかった」こと。
ドライバー…特に精密ドライバーはちょっとした摩耗で命取りになるので、先端が硬いちゃんとした工具を、しかも丸まってきたなと感じたら買い直すのが吉です。

一番の難所は、分解したことのある人でないと分かりにくい言葉になってしまいますが、絞り環ユニットの取付です。
けっして力を入れずに。入る時はすんなり入ります。
個々の写真を撮ればいいのですが、かなり奥の方でして…。
代わりに、とてもとても分かりにくいイラストで 笑



参考:
Nikon AF28-70 F2.8 AFが引っかかる - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=enkZVQxewIo
この動画の主さんにはホント感謝です。
この動画を観なければ、修理を諦めていたところでした。

リペアマニュアル
NIKON AF-S ZOOM NIKKOR 28-70MM F2.8 D IF REPAIR Service Manual download, schematics, eeprom, repair info for electronics experts
https://elektrotanya.com/nikon_af-s_zoom_nikkor_28-70mm_f2.8_d_if_repair.pdf/download.html